家族から見た周辺履歴書・改訂版

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引きこもり相談において「家族から見た周辺履歴書」を考えました。「肯定面を見つけ認識する工夫」を家族が系統的に行う方法です。
可能な範囲で当事者に関する生育歴を箇条書きにまとめます。次の点を書くようにしてください。
(1)保育を含む学校経験、職歴、受験・資格試験など。
(2)特徴的な身体状況(アレルギー症状、摂食障害、リストカット、受診・入院)と行動・行為(いじめ、暴力、逃走、不眠、不登校、引きこもりなど)。
(3)興味関心・よくしていること(ゲーム、パソコン、テレビ、料理、絵描き等)。
(4)親子関係における印象的なエピソードがありましたら加えてください。
(5)性格が表われるエピソードがありましたら加えてください。
これらを生育歴として経年的に並べます。一度に完成するには難しいので、まず概略的なことを紙に書いてみてください。
これは親の目から引きこもっている子どもを理解しようとすることです。このスタンスは家族間の関係を改善する上で初歩的な方法です。

それに加えて重要なことは当事者の自己理解です。親の目から見たこの生育歴表「家族から見た周辺履歴書」は当事者のものとは同じではありません。「家族から見た周辺履歴書」の作成に子ども(当事者)を参加させることは必要ではありません。
当事者の自己理解は、本人からの話しなどによります。それがどの程度できるのかは当事者との関係によります。両親や家族、支援者やカウンセラーなどと当事者の信頼関係によります。信頼関係が深まるにしたがい当事者の経験をより深いところから話し表現するからです。それは信頼感によるものであって、事務的なもの、制度的なものではありません。

この周辺履歴書を見ながら、親の相談を進めます。そのうえでこの周辺履歴書に書き加え、訂正していきます。これを繰り返していく方法が親の相談の進め方になります。
当事者の子どもにこれを見せる必要はありません。相談員とともに親の心の内側の作業をするのです。それが何らかの形で当事者に伝わることがあってもかまいませんが、そのためにこの周辺履歴書を作成するのではありません。

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