引きこもり当事者の結婚問題

引きこもりの親たちの集まりに関わっているJさんと話しました。
いろいろな話題に及んだのですが、(1)引きこもり当事者の結婚、(2)家族内で当事者の子どもと話すことと危機、の2点をから話しながら考えたことをまとめました。
「引きこもり当事者の結婚」というテーマの実情が多様であり、一般的な言い方には躊躇せざるをえません。しかし、現実的な判断や選択をしなくてはならない人もいます。そういう方に参考になるかもしれない思いがあります。
Jさんの紹介されたことは引きこもり当事者とは同一ではありません。結婚している夫側が職を失い、その状態が長く続いており、Jさんが見ている引きこもりの人ときわめて似ているところから話が始まりました。
引きこもりは本人が意図して選んだというより、心身状態から気づいてみれば引きこもり状態になっていたものです。結婚している相手から見るとそれは理解を超えたことであり、現実生活の必要から「何とかしてほしい」という要望になります。ところが本人は心身の状態からそうなっているのであって、意思・決心により事態を超えることは大変なことです。妻の要望には応えられないまま、仕事につけない状態が続きます。
夫側は追いつめられると感じるかもしれません。条件によっては別れることが当面の最善策かもしれませんが、周りに相談する人がいません。夫婦の両側から中立的な立場の年長者にあたる人です。

結婚においては他の例があります。夫側になるのが元引きこもりで付き合っている彼女に子どもができた、そこで結婚をどう考えるのかという相談を受けたこともあります。事態を十分に把握できたとは思えませんが、生活条件と本人の気持ちを聞いていく中で「これは、おめでとう! ということですよ」と答えたことがあります。
また結婚したあと短い期間で別れた引きこもり経験のある女性から話を聞いたことがあります。彼女の話では「原因は私が甘えすぎたことかな」という意味のことを聞きました。私は「結婚するのが早すぎたのかな?」というと彼女は「そうかも」と言いましたが、振り返ると必ずしも的は得ていない感想だった気がします。
女性が引きこもり経験者で、結婚願望はあるけれども子どもをもつのに大きな不安感のある人がいます。家族からは子どもができれば母親として自然に成長すると思われている節があります。そうかもしれません。ですが働くに働けない心身状態が本人の意志によっては超えられないこともあると知る者としてはすぐにはうなづけません。子どもができたら母親として自然に成長するというのも人による、条件によるかもしれないと思い巡らしてしまいます。
あまり悲観的には考えたくはないのですが、人生に関わることなのでよく聞いて慎重に判断しなくてはなりません。

「家族内で当事者の子どもと話すことと危機」の方に話題を変えましょう。(つづく⇒20日「チャンスはピンチとともに来る」)

置き去りにされる引きこもり

8日に開いたひきこもりの高齢化対応の集会報告をしました。
このテーマで社会参加や仕事につく試みに重点をおいたのは浮いていたと反省しました。引きこもりの当事者、引きこもりの家族の持つテーマはもっと基礎的なことにあると改めて気づきました。
昨年3月の大地震の後、Syさんという当事者が「これでまた引きこもりは後回しにされる」と言ったことを思いだします。多くの社会問題が生み出されそちらが優先されていくのを指したものです。そのとき私は直感的にそれはチャンスかもしれないと思いました。多くの社会問題の中でこそ引きこもり問題も改善・解消に向かうはずだからです。引きこもり構造は単独の社会問題として解決はしないと認識しているのです。

引きこもりの取り組みをするたびに、これは私だけではなく当事者として集会に参加する何人かから聞いていることですが、引きこもりの親の会があることを知らない人が多いことを知ります。このような集会に参加するのは主に当事者ではなく親です。そして親世代の中心はネット情報に接触していません。引きこもりに関する限り、親世代はネット情報の少ない世代なのです。
その世代の情報の中心はテレビと新聞でしょう。そのテレビや新聞に引きこもりに関することが少なければ、情報過疎になります。
行政的対応においても引きこもりは背後に追いやられやすくなっています。
ニートや発達障害の視点で行政を含む関係者がこの周辺にかかわり始めました。それは全体として肯定すべきことと評価できます。同時にそれは問題の比較的はっきりした面への対応です。またより自己主張・自己表現をしていく人への対応です。
引きこもりは上の両面で後回しになります。問題がつかみにくく、親も含めて自己主張をしない人が多くを占めていると思います。問題を表現する先端にいる人よりもあまり表現をしない中心部分がほとんどです。表現することを避けようとする人がはるかに多いのが引きこもりの特徴でもあります。
「引きこもりは後回しにされる」というのはこのようなことを含んでいるのです。Syさんがそれを知っていたかどうかわかりませんが、勘の鋭さはさすがなものです。
そして引きこもりの支援活動をしているはずの私もまた、ある意味で情報過疎の一端に加わりかけていたのかもしれません。より基本的な部分に目を向けなくてはいかないでしょう。幸い訪問サポート部門があります。

不得手な人間関係で働ける理由

私は、もともと人間関係がうまくないはずです。しかし子ども時代から学生時代に人が苦手という意識はありませんでした。ただ情緒的な関係いまも苦手ですし、人前で何かをするタイプではありません。
それがいつの間にか、人間関係を不得手とする不登校や引きこもりの経験者のなかで活動することになっています。その人たちの人間関係はここに難点があるとわかるようになっています。なぜ私はそうなってきたのか、少しは説明できます。

古い記憶を思い出します。高校時代の英語の先生が「私は英語が苦手だった」と言っていました。そのころはこの言葉に懐疑的でした。本当は違うのじゃないかという気持ちで聞いていました。
教育編集者の時代にある小学校の先生が「私は子どもが好きではありませんでした」と話してくれました。この先生は子どもに人気がありました。先生の言葉はウソではないと思いましたが、なぜかはわかりませんでした。
このような先生たちの気持ち、状態は私と似ているのかもしれません。

人間関係を得意とする人は、おそらく人と関わるそのときどきに、何をどうするのかを意識せずにできるのです。苦手とする人は、1つひとつの場面でこうだからどうするというのを意識していくのです。この意識する、意識せざるをえない蓄積が不得手な人の問題を見えるようにしたのです。
人間関係が苦手とする人のそのときの気分、不安、どうすればいいのかのとまどいはかつて自分が直面したことです。その経験が作用しています。
自分の経験からあれこれの状態を考え、人間関係を苦手とする人がどうすればいいのか、どうすればうまくいかないかをいくぶんは推測できるのではないかと思います。
またこうすれば相手にイヤな感じになる、負担をかけるのも何となくわかります。それを外した動き方になることもあります。そ知らぬふりでやり過ごすことも大切です。

しかし、もともと人間関係のうまい人には、何もいうことはできないと予想します。私の弟などはそのタイプだと思いますが、仮に何かのことで彼が人間関係のトラブルがあったとしても私には何もわからない気がするのです。
それは求める問題の所在やレベルが違うし、どうするのかの道筋はずいぶん違うのではないかと思えるからです。
私が人間関係としてわかるのは基礎レベルのことです。高度なこと、情感的なことはできないでしょう。そして基礎レベルのことは人間関係においてもとりわけ大事なのです。

不登校情報センターの批判・1

引きこもりなどの電話相談を受けている人からの質問を受けました。
相談活動には進んで行きたいのですが、攻撃をされることが心配です。不登校情報センターを検索するといくつかの攻撃があるけれどもどうされていますか、というものでした。
どの部分への攻撃があるのか聞いたうえで不登校情報センターは、「出来ることをしています。出来ていないことを攻撃されてもそれは私の能力を超えています。そこは気にせずに、出来ることを続けるのが大事ではないでしょうか」という主旨の返事をしました。

後でネットを調べてみました。攻撃の実例を2つあげておきます。
1つは「PSW―yokohama」さんが2008年2月7日に自身のブログに書いた「「不登校情報センター」による誹謗中傷(1)」です。私が書いたものではない文書を私が書いたことにして、逐一反論をしています。
反論文からその元の文を復元していますので見てください。これを私が書いたというのです。そうすると私は自分に対して「日頃から苦言を呈してい」ることになります。「PSW―yokohama」さんはそのおかしさに気づかないようです。思い込みで文章を読むときの間違い例になります。
元の文を書いた人は「不登校情報センター匿名会員 ・記」となっていますが、I.M氏です。

奇妙なものでI.M氏は、あるときからそのとき自分が反論をし「なにやら冷たいものを感じる」という「PSW―yokohama」さんに応援を求めています。この日のブログで書いた相手は実はI.M氏なのですが、「PSW―yokohama」さんはこの事情をどこまで知っているのでしょうか。珍道中というべきか、ちょっとしたお笑いネタです。

千葉・なの花会に参加の準備

7月21日、千葉県の親の会・なの花会の講演と交流会に行きます。
そのときに使う資料をつくりました。
(1)1ページの講義要綱
(2)引きこもり経験者の仕事づくりの実例(5ページ)
(3)不登校情報センターの案内
(4)不登校情報センターの取り組みの歴史(12ページ)
合計で20ページになります。
できれば「なの花会」と継続して協力できる関係をつくりたいと思います。
「なの花会」の手伝いをする姿勢で行こうと考えているところです。
内容①=講演「ひきこもりからの社会参加の途中」松田武己(不登校情報センター)。
内容②交流会=グループに分かれての話し合い。
日時=2012年7月21日(土)13:00~17:00
会場=千葉市民会館特別会議室3F(千葉市中央区要町1-1、JR「千葉」7分)。
参加費=参加費1000円(1家族)、入会金   1000円(1家族)、年会費 1500円(1家族)。
主催・連絡先=KHJ千葉県なの花会事務局(〒260-0042千葉市中央区椿森1-2-2 志村荘201号室、TEL090-8491-0971)。

支援者募集のツイッター情報

ツイッター上で、不登校支援の学校等で教員・職員を募集しているのを見つけました。関心のある方は、該当サイトにアクセスしてみてはどうでしょうか。不登校情報センターでは「支援者募集コーナー」をつくりヘルプをしています。ご利用ください。

 (1)不登校・転校・中退@FutoukouTenkou  教師を急募します。大卒以上。教員免許不問。年齢40歳位まで。勤務地高松校高校生の悩み相談、高校卒業を目指す指導。等。頑張れる先生 待ってます。明聖館高等学院 087-837-6323 山田

(2)NPO D×P@npo_DxP  NPO D×Pでは新たに二名、スタッフを募集致します!日本の教育や若者を取り巻く状況に課題意識を持たれる方、問題解決に対して行動して行きたい方、ご応募をお待ちしております!募集の詳細はこちらから→ http://yume-brainsto.jugem.jp/?eid=221

(3)にしおぎ学院/田中勢記@nishiogigakuin  にしおぎ学院では、不登校・長欠経験のある中・高・既卒生の指導に理解のある講師スタッフ(アルバイト)を募集しています!理系:数・理総B・生、文系:英・日または世(いずれもセンターレベル)詳細はHP「スタッフ募集」でご確認ください。

 

(別件)八洲学園大学国際高校(広域通信制:沖縄)@YASHIMA_KOKUSAI  学習提携校(サポート校)を募集しております。興味のある塾やフリースクールは、本校担当者(中村教頭:0120-917-840)までお問い合わせ下さい。http://study.jp/hs/yashima/support/campus.html

新式のブログ開設の希望者

石川県でフリースクールを開いている林さんから、不登校情報センター内のブログ開設の申し出がありました。
先日、このブログページの利用を呼びかけました(5月9日「センター内のブログ利用のすすめ」)。何となく面識があるとか、お会いして説明をしてからブログ設定をお願いするとつもりでしたが、石川県在住ではそう簡単ではありません。
それでも申し出ていただいたことはありがたいと思います。
今後もブログの開設をよびかけます。
対象者は、不登校、引きこもり、発達障害の当事者、家族、支援者などの人です。
WordPressですが、それがどういうものかは、情報センター内にすでに設けられているブログを見てください。

居場所における斜めの関係

5月3日のパネルディスカッションの席で、引きこもり経験者の居場所(スペース)の様子が話されました。
支援者と当事者との関係はできる(できる人が居場所に定着する)けれども、当事者の横の関係はできづらいという点が出ました。それが横の関係ならば、支援者(ここでは松田となります)と当事者の関係は縦の関係となります。
他の支援団体の様子を聞いても、この点はある程度は共通しています。
それどころか、横の関係においては友好的な関係ができないばかりか、ときには排除しあう関係や避けあっている関係も珍しくはありません。
組織的な人間関係づくりが苦手な人がほとんどですので、対抗するグループが敵対レベルになることはまずありません。排除しあっている人の親しい数人のなかに自分と親しくなれそうな人もいて、この関係は個人的な好悪感にとどまることがほとんどです。

さてこの縦横の居場所の人間関係に、この席では斜めの関係が指摘されました。
その役割を果たすのが、このスペース参加する研究者・学生(出席した堀口佐知子さんを指します)と何人かの母親です。
当事者はこの支援者を標榜しない研究者や母親の、あるときは何かを聞かれあるときは自分から話をもちかけていって、相応の話のできる関係ができていきます。
カウンセラーさんもいますが、直接にカウンセリングを受ける関係ではないカウンセラーさんがこのような役割になることもあります。
場合によっては当事者がそれに近い役割になることもあります。
もちろんこれには個人差があり、どの当事者も斜めの関係を利用するわけではありません。

この斜めの関係は十分に評価されていません。
もしかしたらそういう場面が他の居場所においてはあまりないのかもしれません。
不登校情報センターの居場所の歴史のなかではこの面が意外に大きかったと思います。
というのも私自身が支援者というよりも、それ以外の理解者として不登校・引きこもりに関わり始め、ここまで進んできたと思えるからです。

センター内のブログ利用のすすめ

不登校情報センターサイト内(WordPress)のブログの利用について

不登校情報センターは不登校、引きこもり、発達障害の当事者、支援者などにHP内の個人ブログ設定をお勧めしています。
トップページにある表の上段右側の「体験者」と「支援者」をクリックすると利用者のリスト(一部は外部ブログの活用者)が並んでいます。
それらに並ぶブログ設定になります。
希望者がいましたら連絡の上、相談に来てください。原則として説明した後、利用をしていただきます。

「支援OK」の返事を受取りました

4月13日の「20代男性が支援を求む連絡」の内容に、ある団体から「支援OK」のお返事をいただきました。それを紹介いたします。このような連絡方法で支援の仕方が広がるといいと思います。

<当サポートステーションでは、若年者の就労支援を行っています。だいたい10代後半~30代後半位の方々が活動しています。
ただ書類作成や面接練習、企業での職業体験など個別に行うプログラムが多く、仲間づくりや会話中心のコミュニケーションを希望される方は、市内にある別の支援機関を紹介することが多いです。
就労に対する意欲が向上するかどうかは人それぞれですが、就職活動をするまでの準備をお手伝いさせていただくなかで意欲的になる方もいらっしゃいます。
まずはご相談の予約を気軽に入れてみてください。

サポートステーション……無料。あいさつなどの簡単なコミュニケーションがある通所型プログラムあり(1~2か月程度)。一部、保険料などで50~300円程度かかるプログラムもあります。
市内の別機関……有料。月会費あり。交流会やクラブ活動、グループワークなどがある。月会費がだいたい5,000円くらいかかりますが、交流会に関しては1か月間の無料お試しが利用できるそうです。>
回答者はビーンズふくしま「こおりやま若者サポートステーション」です。