置き去りにされる引きこもり

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8日に開いたひきこもりの高齢化対応の集会報告をしました。
このテーマで社会参加や仕事につく試みに重点をおいたのは浮いていたと反省しました。引きこもりの当事者、引きこもりの家族の持つテーマはもっと基礎的なことにあると改めて気づきました。
昨年3月の大地震の後、Syさんという当事者が「これでまた引きこもりは後回しにされる」と言ったことを思いだします。多くの社会問題が生み出されそちらが優先されていくのを指したものです。そのとき私は直感的にそれはチャンスかもしれないと思いました。多くの社会問題の中でこそ引きこもり問題も改善・解消に向かうはずだからです。引きこもり構造は単独の社会問題として解決はしないと認識しているのです。

引きこもりの取り組みをするたびに、これは私だけではなく当事者として集会に参加する何人かから聞いていることですが、引きこもりの親の会があることを知らない人が多いことを知ります。このような集会に参加するのは主に当事者ではなく親です。そして親世代の中心はネット情報に接触していません。引きこもりに関する限り、親世代はネット情報の少ない世代なのです。
その世代の情報の中心はテレビと新聞でしょう。そのテレビや新聞に引きこもりに関することが少なければ、情報過疎になります。
行政的対応においても引きこもりは背後に追いやられやすくなっています。
ニートや発達障害の視点で行政を含む関係者がこの周辺にかかわり始めました。それは全体として肯定すべきことと評価できます。同時にそれは問題の比較的はっきりした面への対応です。またより自己主張・自己表現をしていく人への対応です。
引きこもりは上の両面で後回しになります。問題がつかみにくく、親も含めて自己主張をしない人が多くを占めていると思います。問題を表現する先端にいる人よりもあまり表現をしない中心部分がほとんどです。表現することを避けようとする人がはるかに多いのが引きこもりの特徴でもあります。
「引きこもりは後回しにされる」というのはこのようなことを含んでいるのです。Syさんがそれを知っていたかどうかわかりませんが、勘の鋭さはさすがなものです。
そして引きこもりの支援活動をしているはずの私もまた、ある意味で情報過疎の一端に加わりかけていたのかもしれません。より基本的な部分に目を向けなくてはいかないでしょう。幸い訪問サポート部門があります。

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