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(2)引きこもりのさまざまな原因・理由

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この論文は『不登校・引きこもり・ニート支援団体ガイド』の序文として書いた「引きこもりからどう抜け出していくのか」です。

(2)引きこもりのさまざまな原因・理由

引きこもり(前述の意味で不登校、ニートを含む。以下同じ)が、日本でこのように増えていることに関しては、いくつかの意見があります。
私がこれまで見聞きしたこと、本で読んだことのなかで、納得できる理由を列挙してみます。

①日本が、特に1960年代以降の高度経済成長期をとおして、高度に発達した経済社会になり豊かな国になっている。

②食生活が、この30~40年間に大きく変わり、それらが心身の状態に影響している。
農薬の影響、カルシウムなどミネラルの不足、乳幼児の母乳哺育の後退。

③旧来の家族関係が崩れ、新たな家族関係が十分に形成されないなかで、かなり多くの家族内にゆがみが出、矛盾がたまり、家族内の弱い立場の人(子どもなど)に問題が表われやすくなっている。

④伝統的な地域的共同体が崩れ、隣近所のつながりが少ない新興開発住宅地域やマンション住居者を典型的に、子育てが家族内のプライベートな事柄になっている。
ここでは育児書が子育ての教材になり子育てが画一的な基準に左右されやすくなっている。

⑤明治期につくられた学校制度が百年以上の歳月を経て、子どもと社会の実情に柔軟に対応できずにいる。
それが不登校の子どもとして表面化している。

⑥日本社会が変革期に入り、さまざまなゆがみや矛盾が、社会のなかの弱者に当たる人たちのところで表面化する社会病理現象を示している。

見聞きしたことを私なりのしかたで表わしましたので、必ずしも一般に普及している表現とは同じではないかもしれませんが、おおむねこのような理由が語られているように思います。
これらは、子どもの育つ環境条件を述べるという点で共通しています。
私は、これらの理由、背景説明にそれぞれに納得できる部分があります。

引きこもりに至る子どもの生育過程には、虐待、服従、いじめ、放置など、子どもに対する強い抑圧や禁止が、相当期間にわたって継続したり、繰り返されたりする例を見ることができます。
そうなる背景には、上に述べたような、いくつかの理由があり、家族や学校、子どもの世界での精神的な圧迫、追い込まれ状態のはけ口が、「より弱い子ども」に向けられているためと説明できます。

この「より弱い子ども」とは、その集団内における相対的な位置を表わします。
したがって、家族のなかで父親や祖父母に対して比較的弱い立場の母親が、精神的な圧迫感情(ストレス)を、より弱い立場の子どもに向けることもあります。
複数の子ども(きょうだい)がいる場合は、必ずしも末子が弱いというわけではなく、「よい子」でいようとする反発しないタイプの子ども(ときには長男や長女)に向けられることもあります。
学校などの子ども世界では、おとなしい子、障害のある子、孤立しがちな子に向けられることもあります。

これらは、ストレスが、強い者から弱い者に流れていく一般的な経路を示しています。
同時に、その弱い立場の人の前で、保護者、教師や常識に富む人の、この経路を阻止する力が弱まっていることも示しているように思います。

これらはおおよそ上に述べた要因の連鎖反応として説明することが可能でしょう。
しかしそれにもかかわらず、それではうまく説明できない引きこもりに特有の、共通する理由があると思います。
少なくとも引きこもり当事者たちに、ある期間接していれば、ごく普通に感じられる原因や背景が、この外側にあります。


(1)引きこもりと不登校、ニート
(2)引きこもりのさまざまな原因・理由
(3)五感が敏感な人たち
(4)第六感としての「心の雰囲気がわかる」感性
(5)自己点検で感情を抑制していく
(6)本人の悩み・訴え・症状と対応
(7)意欲(生命力)を引きだす基本
(8)引きこもりからの回復と母親の役割
(9)反発心が自立には必要
(10)親の「あきらめ(?)」と子どもの自由への復帰
(11)親しい友人づくりと同世代復帰
(12)精神的な健康回復が先行



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