親の会と子どもの外出の関係

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シリーズ「なでしこ会講演その後4」です。引きこもりの子どもをもつ家族の親の会について話しましょう。
なでしこ会の活動はすばらしいので、私の経験談は簡単にすませます。実例は挙げませんが親の会を知らない人も読まれますから、なかなか短くはできません。その実際の役割を整理するとこうなります。
(1)親の会は子どもの引きこもりを親が理解していく学習の機会です。子どもの言動の基礎にあるものまで理解しようとすると、親子関係は徐々に好転します。親が教えよう・指示して動かそうとしても子どもは動きません。親が子どもを理解しようとし続けると子どもは親の言うこと・することに注目します。
この転換には時間がかかります。俗にそれ以前が10年ならばこの転換に10年かかると言われます。そのつもりでいることです。それは子どもの転換ではなく、親の生活スタイルやものの考え方を改善するのに時間がかかるからです。
親がゆっくり転換するのに合わせて子どもはそれより少し早く転換します。親から見ると自分は一生懸命やっているのに子どもはついてきていないように見えます。実際は親の転換が遅れているからそのように見えるのです。それは不思議なことではなく当たり前です。年齢が低いほど変化できるものです。
(2)親の会に参加し、子どもが親の言動に関心を持つようになると子どももその親の会、または親の会に参加するグループに関心を持つようになります。こういう引きこもり経験者は少なからずいます。目の前に可能なものが見えてはじめて自分にできそうなことがイメージできるのです。親の会はそのような役割をはたします。
そして実際に親の会に子どもが参加することもあります。10代ぐらいまでなら親子が同席することもありますが、20歳を超えると同席はしないものです。講演を一緒に同席して聞くことはありますが、自分のことや親子のことを直接に話す場面には出ないし、それは正常なことです。同席できるようになるのはその時代を終えたときです。
(3)こうして親の言動の変化により集まってきた引きこもり経験者が、単独でその親の会に参加してきた人たちと一緒になり当事者のグループができます。当事者の居場所の誕生です。当事者だけが自主的に集まる居場所もありますが、居場所の多くは親の会とつながっている理由の一つはこれです。
居場所ができると引きこもっている人の外出先になります。引きこもり経験者には心をくつろげて参加できるところは少ないものです。その貴重な居場所・行き場所です。
(4)親が熱心に親の会に参加し続けていても子どもは動かないことは多いものです。子どもにはそれだけの理由なり、背景があります。それを想定していなくてはなりません。

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