発達障害者の企業での就業

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発達障害者の就労体験を聞く――当事者ではなく支援センター・相談員の発表です。そんな状態で、そんな思いをして働かなくてはならないのかという感じです。その人たちは先進的に道を開いていく先駆者になるわけですが、壊れそうな雰囲気も受けます。窮屈な職場環境で何とかやりくりしている実践報告は聞いているだけでも苦しいです。
不登校情報センターに関わりそのあと仕事に就いて働き始めた人たち、舞い戻ってきた人、仕事を止めて引きこもり状態からこちらにきている人たちからこれまで聞いていたことと重なります。発達障害と引きこもりは同じではありませんが、一部の人は重なりますし、少なくとも似ています。

30年ぐらい前から日本の職場は急速に窮屈になったという感じはします。それ以前にも働くのが大変であった人もいたはずです。それでも発達障害として理解されそのうえで就業困難という人たちの増大は、職場ないしは社会の窮屈さによって生み出されたといっていいのではないでしょうか。変わった人とか癖のある人レベルの理解ではなく排除される対象になっています。

講座の質問への答えの中に、それでも就職するときには、本人の強み、たとえば集中力がある、完璧にやり遂げようとするなどをアピールする意味があると指摘されました。それはいいと思いますが、新卒者レベルのことであって30代を超えた人は別の道を考えるのがいいと思います。とても苦しい環境に入って働くように仕向けることになります。本人の意志は尊重しますが勧める気はしません。

報告で少しホッとしたのは、当事者の感じる対人関係の摩擦に対して、少しトンガッテいるくらいのほうが強みもしれないと言われたときです。企業は人の性格よりも、何ができるのかによって人を求める部分は確かにあるでしょう。企業もいろいろですし、上司や同僚もいろいろですから可能性はあります。それらは肯定しますが、全体としてはそのわずかな隙間を縫うような職場探しになっています。特例子会社はそれでもいいのかもしれません。
この重苦しい事態は変えなくてはなりません。そしてこの事態は歴史的・社会的にそう長つづきしないでしょう。一方、30代以上の人の多くは別の道を探したほうがいいと思います。
8日都庁で開かれた「発達障害のある人の「働く」を考える」講座に出席してみた感想です。主催はTOSCA(東京都発達障害者支援センター)です。

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