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カテゴリ:松村淳子エッセイ

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2021年11月25日 (木) 08:17時点におけるMatsu4585 (トーク | 投稿記録)による版
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松村淳子エッセイ

  • 助走の会・雲の松村淳子さんが、不登校情報センターの会報『ひきこもり居場所だより』に毎号載せているエッセイです。

あの頃のこと②          松村淳子  

 現在、私は高田馬場で不登校・ひきこもりの青少年のフリースペースと子どもの貧困対策としての無料学習支援を学生たちと行っています。

「NPO法人助走の場・雲」ホーム | 助走の場・雲 不登校・引きこもり支援 (wixsite.com) の活動です。

この「助走の場・雲」は2006年発足の主に不登校の親御さんの相談室として活動をしていた「親と子の相談室 空」の活動の延長線であり、私自身の「不登校の親」としての経験から生まれたことは前回お話ししました。

 誰かに自分を受け止めてもらい、話をするという事は非常に大きいものであるという事をこの不登校からの経験で学び、不登校の子を持つ親のために同じ苦しさを味わった「ピア」として相談に乗るという「親と子の相談室 空」の活動。

 その後、縁あって杉並区で開催されていた不登校相談会に親相談として参加させていただき、その相談会から発足した「セシオネット親の会」の活動は現在も月一回のペースで開催しています。先輩親御さんの貴重な経験談や「今」困っていることをみんなで考える貴重な場として成立しています。コロナ後もその歴史をつないでいってほしいものです。

 さて、そんなふうに主に親御さんの相談活動をしているうちに、少しずつ次の段階へのニーズが強まってきました。 

 親の意識にも少しずつ変化が生まれ、家庭内に良い空気が流れるようになり家族の問題としては解決方向に向かっていたとしても、一度自信を失い、学校などの社会から離脱した当事者である子供たちがそのまま社会に戻るのは難しいという現実に多く直面するようになったのです。  そこで、社会復帰のための中間地点として、そして助走の場として「フリースペース雲」を立ち上げるに至った訳です。

 子供達が家庭の中で安定してくると、そろそろ次のステップなのですが、彼らが戻るところは現実問題、学校が多いですね。でも、それではあまりにもハードルが高すぎる子もいるのです。 すでに出来上がっている空間・クラス・友だち関係・・・・そこへひとっとびに戻り、うまく適応できずに大きな挫折感を味わうという姿も見られるようになってきたのです。

 そこで、せっかく元気を取り戻し、次への気持ちが芽生えてきた彼らのために、社会復帰のための中間地点として助走の場としてフリースペース雲を立ち上げるに至りました。

一人ひとりがゆっくり自分達で模索する場所 家の外でホッとできる空間 安心感の中でエネルギーをもう一度充電できる場所 もう一度ソフトに人と出会う空間 同じ経験から解りあい、助け合える仲間づくりの場 ほんの少しアウェイの場所で、 できることを実感し・苦手意識を取り払っていく。

 そんな場所を目指しました。

 そのためには、親や教師などの大人ではなく、もちろん年下の子供達でもなく、彼らがしんどい思いをした同い年の子たちではない、「ななめの関係」を作り上げることができる大学生が協力してくれることが必要でした。幸い近くの早稲田大学の学生たちが賛同してくれて、代々続けてボランティアをしてくれています。現在では早稲田大学以外の大学生も協力してくれ、多彩な個性のお兄さん・お姉さんが時間を共にしてくれたり、一緒に出掛けたりしてくれています。先日は「早稲田祭」に連れて行ってくれていましたっけ。  フリースペースの性格上、過去に自分自身が不登校を経験した学生も幾人か協力してくれており、利用してくれる子供たちの目指す目標にもなってくれています。もう一つ、そんな不登校経験の学生たちにとっても良い影響を及ぼしています。それまでは「負の歴史」と思っていたことから、実は自分の体験や自分の存在が後輩の子たちの目指す姿になっていたり、彼らの新たな希望にもつながっていくことを実感するのです。学生たちに対しても活動することが「人の役に立つ」という自己肯定感を育み、過去の癒しになったりしているのです。

こうして、「育ち合いの場」として学生たちも含め、皆が仲間として支えあっているのが現在の姿です。

今回自分の研究のためにボランティアの若者や過去にボランティアをしてくれた社会人にアンケート調査を実施しました。そこで彼らの生の声を聴くことができました。

次回はそんなボランティアの若者たちの生の声をお届けできればと思っています。

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