“非行型の不登校”の話しを聞く

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「支援」を考えることの続きです。
今年になってからですが“非行型の不登校”と教育行政的には分類されるタイプの中学生から電話相談を受けました。遠方の在住者です。
小学校の時代に重病でしばらく入院。退院後も通院をしていますが日常生活には支障はありません。しかし特別支援学校になり、なぜこの子らと一緒なのだという感じでした。
中学校に入る前に父母が離婚し、母と一緒にいま住む所に移る。その後、父も母もそれぞれ再婚をし、いまは義父と母と新しく生まれた子どもたちと一緒に住んでいます。移住先の中学校への転校であり言葉が違うし、友達はできません。担任は話し方や服装を注意するだけで、こちらの状態を聞こうとしません。転校したあとだんだん学校に行くのがいやになり、いまはときどき行くぐらいです。
友達も何かを一緒にする人もいなくて、カラオケなど夜遅くまで遊ぶようになりました。タバコもすっています。薬を多量に飲んで救急車で運ばれたことも数回。
遠くにいる父親のところにたまに行きますが、再婚した“義母”がいるし、実家にもどると「どうしてあんなところに行ったのか」と母の機嫌が悪い。
非行ということで児童相談所に行くようになりました。そして児童相談所にかなりの期間「一時避難」していました。最近戻ってきたところです。
中学3年なので高校をどうするのかといわれ、夜間高校に行くと答えたが、それがいいのかわからないし、母はどうでもいいという感じで見ています。義父は遠慮がちで何も言いません。
児童相談所からは養護施設に行く話しもすすめられています。父のところに行くか、今のまま母と一緒にいて夜間高校に行くか。どれをとってもうまく行く気がしません…。

このようなことを昼前から2時近くまでの2時間近くポツポツと話しました。上のまとめはかなり圧縮し、省略しています。
聞きながら合間にいろいろな言葉をはさみました。この中学生は背負いきれないほどの重い荷物をかかえ、その重圧のなかでささやかな抵抗をしている。それを非行と呼ばれるのです。いちばん相談できるのは児童相談所の人で、父母はそうはなりません。教師は言葉遣いと服装の注意に関心がいくだけで話すのは無駄のように思えます。

これは「支援」でしょうか。いま振り返ってもできる支援はこのあたりが妥当であろうと思います。理由はうまく説明はできません。介入的なことをしても問題が大きくて一時的なことでしかなく、変なおせっかいをして事態をこじらせそうだからです。
むしろこの中学生のなかにある真っ当な気持ちを信じてそれを成長の力になるようにする。できることはゆっくりと話を聞き、引き出していくことのように思ったのです。児童相談所の人に話していくこと、また何かあったら連絡をしてくれるように伝ました。比較的時間の取れる時期であったのがよかったのですが、いつもこうはいかないかもしれません。

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