独りがいい:気質と性格特性

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独りがいい:気質と性格特性
〔大人の引きこもりを考える教室・第10回の講義要綱=2013年2月10日〕

(1)引きこもりになりやすい人の気質・性格特性は、周囲の人間環境を敏感に察知、感じ取る感性(感受性)が優れていることです。
人のことばにある隠れた意図やその場面で言いたい真意を解釈し、発言した当人も意識していないことさえ見抜いてしまうことがあります。ことば以外の振る舞い、動き、音の出し方などによりそこにいる人や相手が何を望み、どういう気持ちでいるのかを推測し、わかった気持ちになります。これらの解釈や推測はときには独りよがりなこともあります。しかし、必ずしもトンチンカンではなく本質を当てていることがあります。

(2)この天性の、先天的な気質や性格特性を意図的に、意識して変えることはできません。自分の性格を変えようとして何かにチャレンジする人がいますが、成功する可能性は低いでしょう。逆にダメ体験(自己否定体験)を重ねることになりやすいです。
性格を変えるのではなく、対人関係など「ヒト・コト・モノ」を経験し、実体験による学習により成長するのが変わることの本当の内容です。先天的なことを変えようとするのではなく、後天的な学習体験により成長を図るのです。

(3)優れた感性により周囲状況をキャッチしたことに影響を受けやすく、自分の行動を抑制したり、無理をして相手に合わせたり、言動のいろいろを左右することがあります。
周囲の人の状態がわかるとその人に対して配慮的な行動を取りやすいものです。それが裏目にでて、付け込まれて嫌なことも体験しています。それが重なるとその雰囲気を感じる人を事前に避けるのが習性になります。
この状態で自分の状態を守り、維持するために生活のいろいろなところで「独りでいる」ことを選びやすくなります。これが強く現われると人との接触が少なくなり、成長の機会も少なくなります。それが成長しづらくなる背景です。
それらの結果、感受性が強いこととは対極にある自閉的・内向的な人と行動様式や生活状態が似てきます。アスペルガー気質による引きこもりと一部で重なる理由です。
アスペルガー気質は人の気持ちがわからないのではなく、わかるときとわからないときの両極になりやすいのです。周囲の人はそのうち「気持ちがわからない」部分を取り出し“障害”扱いするのです。

(4)感受性が強い、周りに敏感、神経質な性格などと言われと語感に否定的な雰囲気や病的な判断を感じます。それよりも繊細な感性と表現されると受け入れやすいことがあります。この繊細な感性のよさを自分の個性として肯定的に受け入れられるようになるのが、引きこもり状態から社会的な生活行動に結びつく原点、出発点になります。
周囲の人から肯定的な評価を受けるのがいいのはここに関係します。しかしその評価にどれだけの真実性があるのかは、評価をする人の仕方によってはお見通しですから、表面的なことば遣いを変えるだけでは及びません。本質的な評価により繊細な感性を認めるスタンスが求められるゆえんです。

〔注釈〕
*性格と気質:「性格のうち、のちになってつくられたものほど変化しやすく、生まれつきのものほど変わらない。生まれつきの性格は体質に関係があって、感情生活の土台をなしている。これを気質という。気質は神経系統のほか、内分泌や新陳代謝などの性質にもとづいている」(宮城音弥『心理学入門・第二編』岩波新書、1965年、25p)。

*感性(感受性):sensibility、:情緒・情動(情動=自我の状態):emotion、感情:feelings、感覚:sense(感覚器:sense organ)となります。日本語で使う文字は似ていますが、英語ではそれぞれ違います。これらの関係は研究課題です。

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