忍耐力を独自に取り上げた文献が見当たらないのですが

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忍耐、我慢、辛抱、…たぶんどれも「patient」で表わせるのでしょう。この忍耐ができない、耐えられない、切れやすい人が増えていると思います。
耐えられずに切れるのは、自分に向けられた言動に攻撃性を感じて反応する仕方です。
攻撃性を感じる内容は通常はそれほどではないことであっても強く感じてしまうのが特徴と思います。
反応に極端な言動が多く、早く、壊す、反撃する方法が著しい点に特徴があります。

この攻撃性はストレスへの対抗としてとらえられます。
手元にある本を引っ張り出してみたのですが、「忍耐、我慢、辛抱」を主テーマにしたものは見つかりませんでした。直接の参考にしたのは宮城音弥先生の『ストレス』(講談社現代新書、1981年)です。宮城先生の本はだいたいが巻末に索引があるのですが、その索引にも「忍耐、我慢、辛抱」はいずれもありません。
ストレスの発生、ストレスの種類、ストレスの発散・回避などはあるのですが、ストレスを受けとめる力としての精神力については本格的には書いていません。宮城先生は自説の形で書きますが、先行する研究や学説はコンパクトに欠かさずに紹介します。そのようなことが書いていないのは先行研究にも「忍耐、我慢、辛抱」が少ないように感じさせます。
手元の本では『脳の探検 脳から精神と行動を見る』(フロイド・E・ブルーム他、久保田競・訳、講談社・BlueBacks、1987年、下巻)がいちばん詳しそうですが、それもストレスについて書いた部分です。何かを他に参考になるものはないでしょうか。

私が記憶しているのはこうです。近鉄バファローズがプロ野球パリーグで優勝した2001年、その4番バッターのタフィ・ローズ選手はホームラン王になりました。しかも、それまでのホームラン年間記録、王貞治選手の記録と並ぶ55本でした。
それを達成したときのローズ選手へのインタビューがスポーツ新聞に載っているのを見ました。「このホームラン記録を達成した原動力は何ですか?」という質問へのローズ選手の答えは「patient 忍耐!」というものでした。闘志あふれる熱いプレーをする彼にして(退場を宣告された回数の記録保持者)、何と深いことばでしょうか。ちょっと感動しました。
日本という文化的に異なる世界に来て、いかに身体能力が優れているとはいえ大きな記録を達成するには精神的な忍耐が求められたのでしょう。

ストレスに対抗するものとしての忍耐力は、ストレスの側から見るだけではなく、忍耐力の側から見ても意味があると思えるのですが、どうでしょうか。
 

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