むとんちゃくと一点集中の混在

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診断について考えました。「発達障害のある人の「働く」を考える」講座の続きです。山崎晃資先生は講演でアスペルガー症候群の診断に関して次の点を指摘しました。1944年にアスペルガー症候群という診断名を下した4名からその診断基準がつくられました。しかし、その4名はその後アスペルガー症候群ではないことになりました。それは象徴的な例なのですが、アスペルガー症候群または発達障害という診断名と診断方法は未確立といってよいというのです。しかし、現実にはかなり安易にその診断が行われています。

数年以内にこれらは“自閉症スペクトラム”ということになるでしょう。それを指摘したうえで、発達障害者支援法ができたことで、現実にはその周辺の人が福祉的な支援を受けられるようになったと評価しています。

山崎先生は診断について次のことを想起しました。これは私が以前により詳しく聞いたことがあります(2010年7月18日「アスペルガー障害に関して①」)。診断には(1)病名をつけること(診断分類)と(2)診断フォーミュレーションがある。精神科医療においては(2)の「個別的記載が有用」とする診断フォーミュレーションが大事です。例えば、子どもの暴力というよりも「完璧癖のある母親により拒否されている学齢期前の子どもの不安定性と攻撃傾向」、依存というよりも「母親の過保護による極端な依存傾向」、 引きこもりというよりも「厳格な父親に気に入れられようとして失敗した思春期前のひきこもり状態」 とする診断です。診断は病状や状態を背景・経過を含めて記述しておくのです。アスペルガー症候群という病名診断的なことよりこの診断フォーミュレーションを勧めていました。

以上は医療専門的なことですが、もっと日常生活的なことを考えていいと思います。先日、「何もかも気にしすぎ症候群」とある人がいったのに対して、私は自己評価を「むとんちゃく症候群」といいました。これは日常生活における非医学的な自己理解のしかたです。全部を言い尽くそうとするよりも最も中心的なことを表そうとする試みです。あえて症候群をつけることはないのですが、これは表現不備を示しています。自分でここを考えて「むとんちゃくと一点集中の混在タイプ」がよさそうに思いました。もっと日常的な言葉で各人を最適に表現するのがお勧めです。悪意がなく、できればユーモアがある“定義”ができればいいでしょう。

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