むとんちゃく症候群

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偶然に『東京新聞』(18日、夕刊)を見ていたところ「南宋医学書 館山で発見」というのを見つけました。そのなかに孫思邈(そんしばく)の話が出てきたので、大塚恭男『東洋医学』と引っ張り出しました。読み直して気になったのが不定愁訴症候群です。 「不定愁訴症候群とは西洋医学上の概念であり、「不定愁訴」をもち、器質的疾患を見いだしえない一群の患者」についてあたえられたものである。unidentified clinical syndrome という英語名のほうがいっそう正確に本質を表現しているように思われるが、病理解剖学の基盤の上に構築されてきた西洋医学の疾患分類では「同一化が不可能な臨床症候群」であり、西洋医学にとっては、きわめてやっかいな存在であるにちがいない。
西洋医学とは別のバックグラウンドに立って病気を考えてきた東洋医学では、不定愁訴症候群はけっして「不定」ではなく、これらがいくつかの証、すなわち東洋医学上の診断単位に特定できると考える。」(大塚恭男『東洋医学』岩波新書、1996年142ページ)。
unidentifiedをそのまま訳すと“同一化できない”、“確認できない”ことになります。症状を細かく分割していく方法は、精神症状に多くの診断名をつけていくことになります。その結果、逆に全体をまとめて症候群としたり、unidentifiedになったり、『精神疾患の分類と診断の手引き』ではNot Otherwise Specified(特定不能)を持ち出すことになります。

そんなことをある人に話していたら、その人は「自分は何もかも気にしすぎ症候群です」と言います。それで大事なことは全部表しているということです。神経症とか神経質というよりもわかりやすいかもしれません。そこまではよかったのですが、そうすると私は「むとんちゃく症候群」がいいと言われました。アスペルガー的気質よりはわかりやすく、当たっているだけに反論のしようもありません。

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