樋口耕太郎『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』(光文社新書、2020年)
会報「ひきこもり周辺だより」8月号に「現代経済社会におけるひきこもりの位置(異論)」なる、やや小難しいエッセイを書いたのです。そうしたら(?)沖縄出身のある方から『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』を勧められました。
いろいろお世話になっていますので読むことにしました。これは素晴らしいです。沖縄を語りながら、実は日本を語っていたのです。沖縄とはある方向に凝縮された日本のことだと思いました。
推測ですが、なぜこの本を勧めてくれたのかがわかるように思います。私が取り組んでいる『ひきこもり国語辞典』は、ひきこもりのことを書いているのですが、実は日本人のこと、ある方向に凝縮された日本人のことを書いていると言いたいのではないのかと。
まさにその通りです。私もそれはしばらく前から気付いていました。
そして向かう先、そのなかには解決策もあります。解決は自立であり、自立していくには「ある人の関心も持っていることに関心を持つこと」といいます。ある人への関心ではなく、その人が持っている関心に対して関心を持つことであるといいます。ある人が怖がっているとしたら、怖がっているその人ではなく、怖がっていることの正体に関心を持つこと、それが自立の根本的な解決策につながるといいます。
これ以上の説明はやめます。この本を読むようにお勧めします。