(1) ゆたかな時代の教育方法

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これから週1回ぐらいのペースで「ひきこもりの社会的な対応」を書いていきます。これは「ひきこもりの心身状態」と対比できるテーマです。今回はその初回です。

記憶では1983年のことでした。当時は校内暴力がひどい時代でした。長野県の私学・篠井旭高校の校長の若林繁太先生と話す機会がありました。篠井旭高校は校内暴力の生徒たちを受入れ、これにどう対応するのかを先進的実践(強圧ではない教育的方法)で示していました。
当時私は月刊教育誌『子どもと教育』の編集をしており、若林先生との話はその出版社の一室で数人と一緒に交わされました。今でも印象に残る若林先生の言葉では「これまでの教育方法は日本が貧しい時代のものだった。これからはゆたかな時代の教育方法が求められる」というものです。
これは実に的確なものだったと回想できます。それまで生徒たち——このばあいは中学生や高校生——は学校や教師に不満をもつばあいは、非行や暴力でそれを表わすのが主流でした。もちろん正当な抗議方法もありましたが、目につくのは非行や校内暴力だったのです。
そして、1980年代の半ば以降、生徒の不満や反抗は、登校拒否・不登校で示すように変わっていきました。非行や校内暴力は絶無ではないでしょうが、すっかり姿が見えなくなったのは確かです。
若林先生が話し、私たちがそれを聞いていた1983年というのはまさにその境目の時期であったといえます。若林先生は「これからはゆたかな時代の教育方法が求められる」とはいいましたが、その教育方法が現実化しているといったわけではありません。それから40年の歳月がすぎました。社会はこれにどう対してきたのでしょうか。

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