小規模介護施設の職員と意見交換しました

介護施設の方と意見交換しました(27日)。
先日の提案「居場所ワークの共同説明会」を話し、具体化するためです。
意見交換したのは都内に26か所、周辺県にも多数の施設がある事業所グループです。
いずれもグループホームで、入所者は認知症の人が1施設9名、小規模の共同生活施設になるといいます。
入所者はからだは動かせるのでスタッフは“重労働”とはいえず、3K(きつい、きたない、給料安い)は基本当てはまりません。
物静かな人が多く、ひきこもり経験者にとっては、困る事態はあまりないといいます。
場所により様子は少しずつ違いますが、騒々しい雰囲気ではなさようです。
スタッフは徐々に男性が増えてほぼ半分をしめます。女性が半数です。
これらの様子を直接に聞ける場をつくろうと考えています。

私からは3つ提案をしました。
(1)見学会、1日体験、ボランティア体験のように現場をみる機会をつくってほしい。
⇒都内にある26施設を中心にその種の予定を教えてもらいます。
(2)不登校情報センターの親の会などに参加して、ひきこもり当事者の様子を実際に見聞きしてほしい。
小冊子『仕事に就ける力をつけるとは』を渡しました。
⇒7月9日の親の会に参加できるかどうかを検討します。
(3)8月20日(日)に「共同説明会」をするので参加してほしい。
*これは別の異業種団体に加わっていただき進めることになっています。
⇒これも持ち帰って検討します。
「検討する」とした(2)(3)ともに参加できそうですが…。
情報センター的には他の事業者にも話を進めているので実現できそうです。

さしあたり7月9日(第2日曜日)は次のようにします。
親の会(大人のひきこもりを考える教室)を午後1時から行います。
これがだいたい3時過ぎまでです。親の会ですが、ひきこもり当事者の参加も期待しています。
3時過ぎから引き続いて今回は介護施設の人などの事業者に参加していただき「仕事場紹介と意見交流会」(仮称)を行います。
次の会報では、確定した部分を詳しくお知らせします。

職種の内容が違ってくる

長期のひきこもりの後、何とか仕事に就いた人の話をいろいろと聞いてきました。
働き始めてある程度の期間がたつと、チームのリーダー格を任されることもあります。
1日3時間ほどのパートタイム的な仕事に就いた人がいます。
しばらくすると同期に入った人や先輩が次々に辞めていくのに気づきます。
あくまでもお手伝いの感じ、仕事の準備期間と考えていたのに、とうとう自分がいちばんの先輩格になりました。
残りの人は高齢のパートだけという状況になりました。
人の出入りが多いところだなあとは思っていたのですが、こんなはずではありません。
そこに働き始めて2年ほどです。
そのとき回ってきたのが、給与を10%増やすのでリーダー役をしてほしいというものでした。
それを断り切れずにその役割を引き受けました。
その役についてみてわかった内容は、人の配置役です。
それまでは自分の分担をしていればよかったのですが、リーダー役はそうではありません。
「職種が違った!」のです。
現場の作業などから管理的な仕事になり、他の人との調整的なことに業務の中心が移っていました。
会社の考えはほとんど同じ仕事で経験があればすぐにでもできると考えていたのでしょう。
10%の給与が増えるというような問題ではありません。
仕事内容が違う、職種が違うのです。
この人はしばらくして退職しました。
そこでがんばってメンタルな障害になった人もいます。
リーダー格になるように言われたときにそれをかわす力量が必要です。
その力を感じられないときはこの種の話には乗らないように気を付けてほしいと思います。
ひきこもりの家族会に参加される親御さんにはそのあたりまで想像できる人がいます。
何かを積極的に進めることは少ないのですが、そのあたりの理解や何をしないかを考えることが多いように思います。

仕事のある生活を始めたひきこもり経験者の場合

長期のひきこもりの後、何とか仕事に就いた人の話をいろいろと聞いてきました。
「建築関係で働き始めて4か月のIくん」(昨年12月27日のブログ)は親の知り合いの建築関係で働いています。
「仕事はつらくもなければ、おもしろくもない」けれども、一緒に働く人たちがいいので続いている、という返事です。
まずこの職場に安定するが大事だと感じています。
次の目標が持てればいいかもしれないと「設計図が読めるように勉強するつもりは?」と聞いてみました。
いまが精いっぱいで、休日はからだを休めるだけで何もできないといいます。
そうなんです。振り返ると、何人かがそう言っていたと思い出しました。
明日が勤務日と早めに自宅に帰った人がいます。
週3日の勤務ですが、その日の仕事が終わるとほっとする。また明後日に仕事があると思うと気が重くなる人もいました。
週2日の勤務の人は前日からストレスを感じると言っていました。
就職し仕事をもつとは働く日数にかかわらず、そういう日常世界に身を置くことです。
長期のひきこもり経験は、空白期間に直接の対人ストレスからは離れていたのです。
同時にストレスに耐性力をつくる面でも空白がありハンディをもっています。
それらの事情を考えて、超安全策をとります。
それは必要であり、尊重しないと離職につながります。そうなった人も見てきました。
上から目線ではなく当事者目線が特に大事なところです。

「仕事に就いたら負けだ」の真実性

長期のひきこもりの後、何とか仕事に就いた人の話をいろいろと聞いてきました。
やっと仕事に就いた。ここを足掛かりにして何とか「仕事をしている自分像」を確立したい。
この思いはかなり多数にあると思います。
そう進んできたところで、多くの人は次の事態に直面します。
一種の葛藤ですが、ダブルバインド(二重の拘束)といった人がいてこれが実感のある言葉のように思えます。
(1)いまの仕事を何とか続けていきたい。もし耐えられなくなってやめたら、またひきこもり状態の戻ってしまうかもしれない。
そういう不安・恐怖感に迫られながら仕事を続けている感覚があります。
(2)他方で、この仕事でいいのか、自分にはもっとやりたいこと、できることがあるのではないのか。
そういう人生を選び進んで行かないのか。未達成感、残念感とでもいうべきものです。
この二つの面が交錯して迫るのです。
心に余裕のある状態ではなく、かなり切迫した状態でつきつけられるのです。
当事者にとってはそういう事態になるのは普通のことで、そう理解しておくことは重要だと思います。

もう一つ加えておきます。
「仕事に就いたら負けだ」とひきこもりの経験者が話した言葉があります。
働かないのを自己弁護していると聞く人もいましたが、読みが浅いと思います。
上のダブルバインドの状態に置かれた人が、結局は自分の可能性や希望を捨てて、自分でもあまり評価できない仕事について辞められなくなる。
それを予測していう言葉でもあります。
自分を押し殺して生きていかなくてはならない人生選択を「負けだ」というのには真実性が込められているのです。
深刻さを感じさせないニュアンスで表現しています。言葉の達人がふりまく撹乱材です。

介護施設の仕事と職場の説明会を開く予定です

「重労働というか、かなり体を使うイメージが先行していて、そこを解消するというか認識を変えることから始めたいです」
介護施設の職場を紹介してもらうつもりで連絡をしたとき、相手のQさんから返ってきたのがこの言葉です。
自宅で親の介護をしているある人の話にも「親の介護経験があるから何となくわかっていて、介護は敬遠…」という言葉も聞きました。
この話は自宅での親の介護と施設での組織的な介護サービスが一緒になっているようです。
ひきこもり経験者で介護職に就いている人は少なからずいます。
介護の現場には女性がかなりいますから、必ずしも重労働とは言えないはずですが、どうなんでしょう。
介護施設の現場の話をきいて、思い込みだけではない介護施設の様子とか、仕事内容を知る機会をつくりたいと思います。

ひきこもりから仕事に就く準備過程をいくつか働きかけています。
それが6月10日「事業者側からひきこもりに働きかける(提案)」です。
介護施設でスタッフ集めをしているQさんとは月内に会い、説明会を具体化する予定です。
説明会を続けるうちに現場見学とか、臨時の手伝いなどができるといいと思っています。

次のひきこもり大学in下町は区民大学講座で9月10日開催

ひきこもり大学in下町の第3回が正式に確認されました。
葛飾区民大学(葛飾区教育委員会生涯学習課が担当)の1講座として、9月10日に開かれます。

6月13日、企画案を話す「かつしか子ども・若者応援ネットワーク」の全体会が開かれました。
「ひきこもり大学in下町」企画のSくんが出席し、提案と意見交換をし了承されました。
内容面で注文があり、9月10日までに注文にこたえる準備をします。
神垣崇平さんが講演をします。
「私がひきこもりの対話の場を運営して学んだこと~大事なことは全部ひきこもりから教えてもらった~」が提案でしたが、
主タイトルとサブタイトルを入れ替えてはどうか、という意見が出されました。
またひきこもりの経験者に話してもらってはどうかという意見もありました。この2点が注文意見です。

ヒューチャーセッション庵(いおり)によく参加する人は知っていると思いますが、神垣さんはこの運営者です。
2012年9月から始め、2か月ごとなのですでに30回ヒューチャーセッション庵を運営してきました。
事前の準備会と終わった後の総括会も繰り返しひきこもり経験者とのかかわりもいっぱいあります。
そこから学んだことを伝えるみたいです。

5月7日に第2回ひきこもり大学in下町を開き、大成功になったばかりです。
それを上回る参加者と内容にしたいと思います。
行政機関(教育委員会)が直接にかかわるタイプの(おそらくは全国で)初めてのひきこもり大学になるはずです。
葛飾区の『広報かつしか』にも掲載されます。
会場は葛飾区新小岩地区センターのホール。当日の運営体制などを細かく決める会は8月に開かれます。

事業者側からひきこもりに働きかける(提案)

〔求人をしているいくつかの事業者に案内をした文章です。一部省略して紹介します。すでに好意的な回答もありました。〕

不登校情報センターは20年にわたりひきこもりと周辺状況の人たちとかかわってきました。
ある程度の期間かかわった人の3割程度が仕事かそれに類する状態になっています。
仕事に就いた人たちの多くは、不登校情報センターに通ううちに対人関係、社会経験を重ね、その積み重ねた経験とその時期に出会った条件のなかで仕事についたと理解できます。
ここに昨年来、ある現場で働く30代のひきこもり経験者がきて、その会社の意を受けて実質的なリクルート活動を行い、数名がその会社で働き始める状態をつくりました。
おかげで不登校情報センターに通所する中心メンバーの多くが抜けていなくなりました。
しかし、ひきこもり状態で仕事についていない人は多数います。
そういう人たちに向け新しい取り組みを進めたいと考え提案させていただきます。
それぞれの業種・職種の実情に合った工夫も必要です。
その舞台となった不登校情報センターの条件や役割も勘案した提案をします。
この企画に関心を示される事業者の方を探しています。
まずは提案を説明し意見交換する場をお願いします。

(1) 企画の目的
求人をしても働き手が来ない中小事業者や後継者難の事業者に、ひきこもり経験者を雇用できる条件づくりと過程や方法を説明し、求人につなげます。

(2)求人の対象者は厚生労働省基準の「ひきこもり」に限らず、いろいろな事情から「ひきこもり」に近い状態で仕事についていない人を対象にします。おおよその年齢は20代から40代になります。

(3)事業者、募集担当者は求人をする対応者です。
その会社ならではのリクルート活動をともに考えます。提案者の松田は20年以上の経験があります。
すでに仕事に就いた人たちの経験を聞くことで対応方法のヒント、募集者の個性を生かした案内スタイルを探っていけます。

(4)就業への働きかけの条件づくりと方法
事業者側から職に就くよう働きかけをする心得と仕組みづくりを重視します。
事業所の規模によりますが、担当者をきめて継続的に進めるところが成果を得るものと考えます。
(A)「ひきこもり状態の人」を理解する機会をつくる
一般的なひきこもり理解の学習に加えて、具体的なひきこもり経験者の話をきく(長期的なひきこもりを経験し、ある程度の就労経験のある人の話を聞く場)、家族会などに出席して出席者と意見交流できる関係になる。
(B)事業所としての予備的な場をつくる。
1日の仕事場見学会、短期の実習(1日2~3時間の実習を1週間行うなど)、見習い講習会(職場の仕事に必要な技術や知識を習う)、臨時アルバイト(インターン制など)。
これらの計画を事業所の規模や性格に即して作成し、「ひきこもり状態の人」に案内します。
「ひきこもり状態の人」が仕事に就くときの最大の壁は就職面接です。
この予備段階で就職する先の人と顔見知りになっている、その顔見知りの人が就職面接の場にいれば、この高い壁を相当に超えやすくなります。
手芸や工芸、デザイン関係などは少人数の教室を開き(定期的なサークルみたいなもの)、そこの参加者と顔見知りになって、徐々に仕事に就くように誘う方法もあります。
(C)事業所の説明会を開く
参加する事業者による説明会をひらきます。
どういう業種・職場・職種であるか明示して、ひきこもり状態の人に説明会への参加を呼びかけます(1人の出席で実施します)。
この説明会では就職者を募る以上に、参加者である「ひきこもり状態の人」とのふれあいや交流できる場にすることが大事です。
これは「事業所としての予備的な場」で説明したとおりです。
受け入れ準備のできた事業所から説明会をひらきます。
この説明会は事業者(事業主や担当者)が、どのようにすれば「ひきこもり状態の人」が働こうとするのかを、経験的に理解し把握する機会です。
事業者にとっては雇用した「ひきこもり状態の人」等の社員を育てる姿勢が大事であると理解し認識できると思います。
これからの時代に必要な事業体の性格ではないでしょうか。

以上は。まずは私の個人的な素案です。
まずは私に説明する場を設けていただきますようにお願いします。

産直店&相談室を訪ね居場所の説明会を開く計画

小さな商店街の中に産直の農産物店ができたのは3年前。
1年前にはその2階が相談室になりました。
そこに運営者のAさんを訪ねました。
今日はお店番が2人いました。いろんな人が交代でお店番にきています。
Aさんと話したのは“ひきこもりと周辺の人”をその人なりの経過にそって仕事に就けるようにする方法です。
事業者側から居場所づくりに協力を求めるためです。
Aさんは広義にはすでにそのスタイルの取り組みをしています。
ただ系統的に進めるには、より具体的なものにし、働き先になる事業者の協力がいります。
商店街と周辺の掃除を2週間ごとに行い、そのときは20人ぐらいが参加するようになったといいます。
商店街ではAさんの産直店相談室に協力する人も徐々に現われています。
そういうお店を含めて何らかの“仕事体験”につなげていくのです。
産直店では、お店番、品物の搬入と値付け・陳列、会計などの役があるようです。
小さな店なので多くの人が同時には入れませんが、交代で来ています。
このお店を“ひきこもりと周辺の人”の居場所的な活動として説明会を開く計画で合意しました。
この形のミニ居場所計画の第1号です。
Aさんとの話を終え、帰るときにはお店番の1人が周辺地域にチラシ配りに行ったといいます。
そのチラシを見せてもらったら「宅配サービスのお知らせ」とあります。
なるほど…と思いました。

ひきこもりから働くに向かう道筋が現れました

ひきこもり大学in下町を終えました(5月7日)。
参加者は申し込みを大幅に超え、50名以上です。ひきこもりの経験者が20名以上、おそらくは30名程度はいたと思います。
10年以上も数人いて、記載した中での最長ひきこもり年数は22年でした。
ひきこもり当事者以外ではカウンセラー・支援団体の人が私なども含めて10名ぐらいでしょう。
エンジさんの話は45分ほどでした。
私などはきわめて高い評価をしているのですが、就業支援をしている方でも意味をよくつかめない人がいるかも知れません。
仕事先の中にいて“リクルート”として、ひきこもりから働く方向に引き込む方法はまだ知られていないからです。
嬉しいことに分科会テーブルで横に座った茨城県の人が、相当に似た形でひきこもりから仕事に就ける方法を話されて、この人の取り組みは注目以上です。
実は3月のひきこもり実践交流会(駒澤大学)の場でも活動スタイルが似ていると感じていたのですが、それを改めて知りました。
窓口で相談して紹介をうけた会社に就職面接に行き、そして仕事に就くという形の「ひきこもりから仕事に就く」という方式は、残念ながら多くは空振りになるでしょう。
面接の壁を超える大変さがわかっていないし、それへの対応策がないからです。
それに代わる実のある方式が現われたのはこの1年のことです。
それを言葉にできました。エンジさんの話は録音できました。
さらに文字にもできるし、普及できる条件がうまれました。どう活用するかはこれからです。
「社会(会社)が変われば働ける」と思うひきこもりの人は多くいるでしょう。
これまでは淡い夢物語として全否定されてきました。
これからもその願望がすんなりと通る社会とは言えません。
ただ求人をしても働く人が来ない、と嘆いている中小企業に光明が見えるのではないでしょうか。
ひきこもり経験のある人を受け入れる会社にするにはどうすればいいかの方法が明瞭になったからです。
もちろん業種・職種による工夫・カスタマイズは欠かせませんが…。
働ければ働きたいと思うひきこもりの経験者と何とか働く人を採用したいという事業者の接点に、ひきこもり経験者が働ける社会に向かう可能性が見えています。
ここを広げたいと思います。茨城県の人とも協力して、特に人手不足になっている中小事業者に呼びかけていくつもりです。

ひき大in下町:1社員がひきこもり経験者を誘い始めた動機に納得

きょうは「ひきこもり大学in下町」の準備をしました。やることはそうはないのですが、メイン報告者のエンジさんが来て、報告のさわりの部分を予行演習してもらいました。
Good!です。

特に自分が1社員として産廃業界に入りながら、そこにひきこもりの経験者を誘い、リクルート活動になっていった動機がよかったです。
正義感とかきれいごとではなく実感できる背景があり、そこを簡潔に話しました。納得できます。

できればICレコーダーがあれば録音しておきたいと思います。5月7日は記録すべき日になる(?)。
エンジさんは多数の人の前で話したことがないので、うまくは話せないかもしれません。
それ以上に初めての緊張感や言葉の勢いなどは記録すべき価値があると感じています。

主催者のSくんのがんばりにもう一つの楽しみができました。
ひきこもり大学というか、ひきこもり“支援”活動の転機になる内容だと思います。
参加の申し込み人数もかなりになりました。
受付用紙や、配布するレジメなども準備できました。