日本人にならない日本移民

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夜間中学校を尋ねたことがあります。 生徒のほとんどが外国人でした。外国人の、特に子どもにとっては貴重な日本語を学ぶ場になります。これも重要な点ですが、今回は別の気になることを書きます。

夜間中学校の先生が案内しながら言いました。数人の外国人がその国の風習で一斉に休んだのです。「日本に来たんだから日本のやり方にならってほしい」と。 それを聞いたときの直感で「それは違うんじゃないか」と思いました。外国人を日本人化する民族同化策は行き過ぎではないか。さしあたりは共存しやすい状態づくりだろうと思ったのです。

先日、新聞広告をみたら「ドイツ人にならないドイツ移民たち」(『正論』4月号)とありました。ということは“日本人にならない日本移民たち”がいずれ浮上するでしょう。すでに外国人は町中に増えていて、定住する人も増えるでしょう。その人たちが共存でき、地域によってはコミュニティができるでしょう。 日本で生活するには、ことば(日本語の習得)、生活慣習(ゴミ出し他)になじむ…このあたりは「郷に入れば郷に従う」のことわざが通用します。共存のための条件です。

宗教は? 日本人でも宗教・宗教観は同じじゃありません。宗教は自由でいい。日本ではイスラムは珍しいけれども、イスラムの多くが過激ではありません。過激なのはキリスト教でも仏教でも無宗教でもいます。それを基準にしてはいけないのです。

世界史を見ると、近代までにいろいろな民族が同化を繰り返しています。統治する側の強制的な民族同化策もありましたが、多くは長い歴史の中でゆっくりと同化しました。同化する側の民族も同化される側の影響を受け双方が変化しました。同化される側は少数なので影響は少ないのですが、多数側の民族もわずかずつ影響を受けました。この自然な過程が必要です。

「ドイツ人にならないドイツ移民たち」の多くは、この過程を歩んでいます。性急に移民をドイツ人化しようとすると衝突するかもしれません。日本でも同じでしょう。

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